「商品の力」こそ最強のマーケティングだ
夏の暑さに参っていたら、あっという間に9月に突入しましたね。
suzunoはというと、月1~2冊のペースで書籍を刊行していました。
これは、一般的に一人の担当と考えるとハイペースの刊行です。
経営状態、精神状態ともに心配のラインになります(苦笑。いやほんとに)。
そんな苦労をしたのに、あまり胸を張れるヒットがなく、
とてもとても苦しんだ「夏」でした。
その苦しんだ中で、自分なりに考えたことが、
「マーケティングとは何か?」ということ。
マーケティングとは、市場分析、市場調査のことを言うけれど、
大きなマーケティングの定義は「商品の売り上げを伸ばすための施策」
といわれています。
4PだのSWOT分析だのSNSだのといわれていますが
書籍に関しては、極論にはなりますが
「中身の質を徹底的によいものにする」
これに尽きるのではないか、と思ってしまいました。
思ってしまいました、と書いたのは
suzunoはずっと「過剰品質」の本に否定的だったのです。
例えば、同じコンセプトの本で、
80%のクオリティと120%のクオリティの本があったとしても、
80%でも、販売力やメディアでの露出、書店員さんとのリレーションが
よければ100%の本を軽々と凌駕します。
ましては、80%の本の装丁(表紙)が一般受けするもので、
120%の本の装丁が地味だったりしたら、完全に80%の本が勝利します。
だから、一定の合格ラインに達するまでは制作の妥協をしてはならないけれど
ボーダーをクリアしたら、その努力はマーケティングに注ぐべきだと
いうのがsuzunoの自論でした。
けれど、最近はマーケティングの手法があざとがられていて
マーケティング手法を講じても効果がでないんです。
たとえば下記のような宣伝文句を見たことってありません??
「発売後即重版!」
「1週間で7万部突破!」
「●●書店3週間連続ベストセラー入り」
一見、すごいと思われがちですが、
こういったことは大してすごいことではなく、
マーケティングのためにわざと初版を少なくしたり、
書店さんや著者と協力した施策の可能性もあるんです。
こういうことが頻繁に起こると、
「本当に7万部なの?あやしい」
「本当にベストセラーなの?」
とかえって読者にとって警戒されてしまうんですよね。
そうなってしまうと、一見売れていて
瞬間的に重版をしたとしても
結局は売れなくなってもどってきたり、中古で売られてしまいます。
そうならないためには、マーケティングの有無にかかわらず
「実際手にとっても、役に立つ満足度の高い本」
が究極のマーケティングにつながるなのではないかというのが
suzunoの新たな仮説です。
もちろん売り上げを伸ばす施策は出版社の命題。
まだまだあきらめませんよ!!
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